明治安田生命J2リーグ第2節・水戸戦にて、ベガルタ仙台はアウェーの地で今季初勝利をあげた。相手に先制を許すなど点を取り合う難しい展開だったが、後半アディショナルタイムに遠藤康が決勝点を蹴りこんで、3-2で決着。「勝ったことが1番」(遠藤)という結果はもちろんのこと、新戦力・中山仁斗や遠藤、そして副キャプテン吉野恭平が決めた3得点もまた、今後に向けチームに勢いをもたらすプラス要素だ。
勝点3と自信を土産に戻ってきたホーム・ユアテックスタジアム仙台でベガルタ仙台が目指すのは、今季ホーム初勝利、そして今季初連勝だ。今季ホーム初戦となったJ2第1節・新潟戦を「不甲斐ない内容だった」と反省する中山は、「今度は内容を伴ったゲームをして、応援してくれるサポーターが喜ぶような試合をできたら」と意気込む。
今節、仙台がホームに迎えるのは、群馬だ。今季から指揮官を務める大槻毅監督は2011年に仙台のコーチを務めていた。DF25小島雅也やDF32渡辺広大のように仙台でJリーガーのキャリアをスタートさせた選手も在籍する。そういった縁がある群馬は、今季のJ2では開幕2戦でまだ無失点。守備の固さが光っている。
群馬は大槻監督が緻密なスカウティングにより相手の持ち味を消す戦術を実践し、第1節では山形の流動的な攻撃を封じて1-0で勝利した。DF3畑尾大翔とDF2城和隼颯の頑強なセンターバックコンビ、そして元日本代表ボランチのMF33細貝萌とキック力のあるMF8岩上祐三が組む中盤の底は硬いユニットを形成。GK21櫛引政敏は前節・金沢戦でファインセーブを連発して勝点獲得に貢献した。
また、この試合では両サイドに大きく開いた攻撃態勢からテンポの速いパスワークで相手を揺さぶり、見事な攻撃で決勝点を決めた。この山形戦の得点者であるFW30山根永遠や、前節・金沢戦で惜しいチャンスを作ったドリブラーMF7加藤潤也、ポストワーカーFW23平松宗は少ないタッチでの攻撃にも対応できる人材だ。
仙台としてはこの群馬が堅守から逆襲をしかける流れに呑まれないように、前節3得点の攻撃をさらに磨きたい。攻撃がなかなか機能しなかった開幕戦から、原崎政人監督は「大幅に何かを変えたというよりは、しっかりやってきたことをもう1回出そうとしました」と攻撃の原則を徹底して再確認。水戸戦の成果にも満足することなく「もっとトレーニングで、相手のプレッシャーがある中でも精度を高めたい」とこの群馬戦に向けて準備中だ。長いシーズンの中で仙台の攻撃は磨いている途上にあるが、そのなかでも現在できるかたちを存分に発揮し、群馬の守備を崩したい。そして、ホームでの勝利をつかみ取ろう!