明治安田生命J1リーグも終盤戦に突入。仙台は第27節・G大阪戦の勝利以降、ここまで積み上げてきた攻撃の形を出すことができ、勝点という結果につながり始めた。11月21日、第28節・鹿島戦は後半立て続けに3失点を喫したが、最後まで諦めずに戦い、負傷から復帰したDF4蜂須賀孝治の正確なクロスから、FW20長沢駿がヘディングシュートを決めて2点差に詰め寄った。MF5椎橋慧也が猛然と左サイドをオーバーラップしたことで鹿島のDFが気を取られ、蜂須賀はフリーでクロスを上げることができた。選手たちが連動して動いた結果、生まれたゴールだった。1-3で敗れたが、第32節・FC東京戦から中2日という厳しいコンディションの中、選手たちは奮闘を見せた。
そして、11月25日に行われた第29節・鳥栖戦。11月8日ホームでの対戦は0-3で完敗した相手にリベンジしようと、選手たちは全力で戦った。前半こそ相手に押し込まれる場面が目立ったが、何とか無失点でしのぎ、後半に布陣を変更すると守備が落ち着き、攻勢に転じ始めた。そして、78分途中出場のMF8松下佳貴の右サイドへのパスを、DF26浜崎拓磨が受けてクロス。これに頭で合わせたのはまたも長沢。ここ4試合で6ゴールと絶好調のエースのゴールで勢いづき、このまま1-0で勝利。
チームは攻守で自信を取り戻しつつある。残り4試合、全て勝つことができれば、来シーズンへの希望が見える。まずはホーム初勝利をかけ、柏に挑む。
柏はチームに何度もタイトルをもたらし、昨シーズンから再び指揮を執ったネルシーニョ監督がJ2優勝を達成し、今シーズンからJ1に復帰。JリーグYBCルヴァンカップ決勝進出も決めるなど好調だったが、監督、選手の多くが新型コロナウイルス陽性判定となり、11月3日に予定されていたこの試合は延期。ルヴァンカップ決勝も2021年1月4日に延期された。しかし、陽性判定を受けた監督や選手は無事復帰。11月21日より再び試合を行えるまでになった。第28節・鳥栖戦は調整不足もあって敗れたが、第29節・鹿島戦は自慢の攻撃が機能し、4-1で勝利。復調していると言って良いだろう。
今シーズン、ここまで25ゴールを挙げ、J1リーグ得点ランキングトップを独走するケニア代表FW14オルンガは圧倒的な身体能力の高さが持ち味。ヘディングの打点の高さ、縦への突破力、天性のゴール感覚はリーグでも群を抜いている。前回対戦でもハットトリックを許しており、絶対に抑え込まなければならない選手だ。
仙台としては能力の高い前線の選手を、鳥栖戦同様に粘り強い守備で抑え込み、好調の中盤の選手や攻撃陣を生かしながらゴールに迫りたい。またオルンガの対応に手こずるようであればキャプテンDF23シマオマテのはね返しの強さも生かしていきたい。
ここまで積み上げてきたサッカーに自信を持って戦えば絶対に勝機はある。ホーム初勝利を選手、サポーターみんなで喜び合おう。