厳しい戦いが続いていた明治安田生命J1リーグだが、ついに光が見えた。第11節・鳥栖戦は0-3と完敗。この悔しさをバネに挑んだ第27節・G大阪戦は、7月に長い中断から再開後に採用した4-3-3フォーメーションへと原点回帰した。すると選手たちはこれまでの悔しさを晴らすかのように、貪欲にゴールへ向かっていった。17分、左サイドでボールを受けたMF9イサッククエンカがドリブルで左サイドを突進。相手陣内深くで中へ切れ込みクロスを上げると、ニアサイドに入ったFW20長沢駿がシュートを決めて鮮やかに先制する。さらに44分、DF26浜崎拓磨のコーナーキックから、巧みにGKの前へ入り込んだ長沢がヘディングシュートを決めて、前半で2点のリードを奪った。仙台の勢いは後半も止まらなかった。75分には右サイドを突破したMF28佐々木匠のクロスボールからまたも長沢がヘディングシュートを決め、ハットトリックを達成した。89分には途中出場のDF36柳貴博がJ1リーグ戦初ゴールを決めて、4-0と快勝。実に18試合ぶりの勝利だった。選手たちは大阪まで駆けつけたサポーターと歓喜を分かち合った。
ようやく長いトンネルを抜け出した仙台。ここからのシーズン残り1か月は反転攻勢を見せる時だ。持てる力全てを振り絞り、FC東京戦に挑む。
FC東京はACLの出場に伴い、12月に行われる予定だったこの試合を含め、前倒しでリーグ戦を戦っている。この試合が終わると、ACLを戦うためカタールに向かう。
今シーズンのFC東京は手堅い守備をベースに、前線の外国籍選手の個人技を生かして戦っている。FW9ディエゴオリヴェイラ、磐田から移籍のMF15アダイウトン、鹿島から移籍のMF20レアンドロはいずれもゴール感覚に優れ、得点力は非常に高い。守備では2年目のDF4渡辺剛が成長。ベテランDF3森重真人と安定したDFラインを築き上げている。
仙台としてはG大阪戦同様、ボールをできるだけ高い位置で奪い、スピード感ある攻撃につなげたい。イサッククエンカとFW42山田寛人の両ウィングが相手のサイドのスペースを突き、前節ハットトリックの長沢へ良いクロスを提供したい。また、浜崎と佐々木が守備だけでなく攻撃にも積極的に関わることも必要だ。相手にボールを持たれる時間帯もあるだろうが、前節・G大阪を無失点に抑えたDF13平岡康裕、DF39金正也の両センターバック、そしてキャプテンDF23シマオマテの誰が出たとしても、粘り強く相手の攻撃をはね返したい。中盤の底、MF5椎橋慧也が中盤でしっかりボールを奪うことも必要だ。
今シーズン初の連勝、ホーム初勝利を達成できれば、反転攻勢への流れができる。大事な一戦、絶対に勝利しよう。