明治安田生命J1リーグは再開後約1か月半が経過した。仙台は前々節・横浜FM戦は流通経済大所属で特別指定選手のDFアピアタウィア久が高さ勝負やフィジカル勝負で奮闘を見せた。GK27ヤクブスウォビィクもファインセーブを連発し、あと一歩で勝点をもぎ取れるところまでは行ったが、試合終了間際にゴールを許し、0-1で惜敗。しかしそれまでの試合で大量失点していたこともあり、守備を立て直せたことは好材料となった。
1週間後のアウェー神戸戦は、守備がさらに機能。高い位置からのプレスからのショートカウンターで決定機をつくり、FW15西村拓真のパスを受けたDF4蜂須賀孝治のクロスは相手DFに当たってオウンゴールで先制。後半には、途中交代で入ったばかりのFW11赤﨑秀平が蜂須賀のクロスからヘディングシュートを決めた。終盤神戸の猛攻を受けて1失点は喫したが、この日、右ウイングに入った阪南大所属の特別指定選手DF真瀬拓海や、ボランチに入ったDF26浜崎拓磨らが守備でも奮闘。2-1で7試合ぶりの勝利を手にした。苦しかった3連敗を経て、勝点3を手にし、連勝目指して今節・清水戦に臨む。
清水は昨シーズンまで横浜FMでヘッドコーチを務めていたオーストラリア国籍のピータークラモフスキー監督が就任。今シーズンは横浜FMのように選手が良い立ち位置を取り、攻撃的に試合を進めるサッカーへと転換を図っている。最初はスタイルが浸透せず、開幕から5連敗を喫したが、第6節・鳥栖戦以降4戦負け無し。前節も強敵札幌を相手に3-1と快勝。得点力が大きく向上しており、チームの改革は順調に進み始めている。
攻撃力は非常に高い。3得点を挙げているブラジル国籍のFW10カルリーニョスジュニオはドリブルでの突破力もあり、シュート精度も高い。大分から移籍加入のFW14後藤優介も攻撃にアクセントをつけられる存在で、MF16西澤健太やMF30金子翔太も切れ味鋭い突破が持ち味。前節ミドルシュートを決めたMF22ヘナトアウグストの攻撃参加も要注意だ。守備ではユース出身GK31梅田透吾の成長が著しい。DF2立田悠悟とDF5ヴァウドのDFラインも徐々に安定を見せている。
仙台としては、前々節、前節で見せたような守備を心掛けたい。DFラインから最前線までコンパクトな陣形を保ち、球際勝負で負けず、前線の選手もプレスバックして後ろの選手を助けるなど、全員が高い守備意識を持ちたい。ただ、守備一辺倒ではなく攻撃に出る準備も必要だ。前節は蜂須賀のクロスから2ゴールが生まれたが、蜂須賀だけでなく、DF36柳貴博やMF14石原崇兆らの攻撃参加にも期待をしたい。
清水は上り調子のチームなので厳しい試合となるが、相手は攻撃的なチームなので、相手陣内に必ずスペースはある。そのスペースをうまく突いてゴールを奪い、組織的な守備で勝利をつかみ取ろう。