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「V PRESS」

　仙台ユースより4年ぶりのトップ昇格となったGK小畑裕馬。デビューには時間がかかるかと思われたが、昨シーズン途中から正GKとして活躍してきたヤクブ・スウォビィクの負傷により、木山隆之監督は「失敗もあるかもしれないが、思う存分力を出してほしい」と小畑を抜擢した。すると90分間落ち着いたプレーを見せ、無失点勝利に大きく貢献する最高のデビューを飾った。

　小学生ではフィールドプレーヤーだったこともあり、精度の高い長短のキックが小畑の持ち味。さらにはシュートストップも年々磨きをかけてきた。ベガルタ仙台ジュニアユース在籍時から、U-15・U-18年代の優秀なGKが集まるナショナルGKキャンプに参加。そして昨シーズンはU-18日本代表にも選出され、将来が嘱望される逸材になり、見事トップ昇格を勝ち取った。

　デビュー戦で落ち着いたプレーを見せられたのは、メンタルの充実も要因の一つ。ユース時代公式戦で活躍して勝利した後は「コメント、俺でしょ？」と自ら取材してほしいと名乗り出ていた。しっかり自己主張できるメンタリティはプロ向きであり、大舞台にも怯まない強心臓を見せたことは、今後のプロ生活にも大きなプラスとなる。

　素晴らしいデビュー戦となったが、プロの道は険しい。今後、さまざまな困難に見舞われてもくじけることなく、仙台、そして世界で活躍するGKへと成長して欲しい。