VP EYES

共に復興へ! 明るい未来に向かおう。
仙台と共に震災からの復興に向けて走り続ける神戸との一戦。
超一流スター軍団を手堅い守備で封じ、確実に決定機をものにせよ!

 明治安田生命J1リーグ2019シーズンがいよいよ開幕し、2節を消化した。仙台の開幕戦はユアテックスタジアム仙台で浦和と対戦。天皇杯決勝のリベンジマッチとなった一戦だったが、仙台はキャプテンDF27大岩一貴を中心に強固な守備組織を築き、浦和の強力な攻撃陣を封じ込めた。攻撃ではFW38長沢駿が自慢の高さを生かして決定的な場面をつくるなど見せ場をつくったが、あと一歩でゴールを奪えず0-0で引き分けた。

 第2節は日産スタジアムで横浜FMと対戦した。前半はPKで失点後、相手に守備組織を崩され失点したが、後半は攻守に修正を見せ、ピンチもあったが、しのぎきった。そしてFW11石原直樹が終了間際にPKを獲得し、1点をもぎ取った。1-2で敗れはしたが、後半は4バックに変形して安定した戦いを見せるなど、戦い方の幅は間違いなく広がっている。

 そして、今節はホーム、ユアスタに戻り、1995年1月17日、阪神淡路大震災を経験した神戸と対戦する。仙台も2011年3月11日の東日本大震災以後、希望の光となるべくこの8年間戦い続けてきた。共に震災からの復興という使命を持ったクラブ同士がサッカーを通じて戦う大切な一日だ。

 神戸は、ここ数年豊富な資金力を生かし、ヨーロッパで活躍した超一流選手を積極的に獲得しているのが特長だ。2017シーズンには元ドイツ代表FW10ルーカスポドルスキ、2018シーズンには元スペイン代表MF8アンドレスイニエスタ。そして今シーズンは、元スペイン代表FW7ダビドビジャを獲得した。さらに2月25日にDF33ダンクレーが加入し、早速、前節・鳥栖戦に出場すると屈強かつクレバーな守備を見せ、勝利に貢献した。昨秋、就任したリージョ監督も世界的な名将グアルディオラの師として知られ、優れた戦術をチームに落とし込んでいる。日本人の補強も抜かりなく、日本代表で活躍したMF5山口蛍、札幌、新潟、鹿島でプレーしたDF22西大伍、G大阪からDF19初瀬亮を獲得し、ここ2試合、活躍を見せている。10位に終わった昨シーズンから大幅にパワーアップした強豪チームと考えて良い。

 しかし、仙台は臆せず戦っていかなければならない。守備組織に関しては2失点した横浜FM戦でも機能していた部分は多く、細かな修正を施して臨みたい。気をつけなければいけないのはイニエスタやビジャといった選手は、球際へ強く行こうとしても上手くかわされてしまうことがある。守備でも立ち位置を意識し、頭脳的にボールを奪うことが重要だ。攻撃では長沢へのクロスボールだけでなく、さまざまなバリエーションを見せていきたい。相手にボールを支配される時間が長くなるかもしれないが、決定機を確実に決めきって相手に精神的なプレッシャーをかけられれば勝利につながる。

 簡単な試合にはならないが、被災地に勇気を与える勇猛な戦いを見せ、明るい未来に向かう一戦にしよう。