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VP EYESMATCHDAY PROGRAM
「V PRESS」

相手にリアクションも許さない程の
鋭いアクションで、相手を突き崩せ!

 ベガルタ仙台は今シーズン2回目の連勝を記録し、今度はその連勝数をさらに伸ばすべくユアテックスタジアム仙台での試合にのぞむ。

 明治安田J2リーグ第14節・鹿児島戦は苦しい展開だった。MF24名願斗哉やMF27オナイウ情滋ら若き力が前への推進力を発揮してスタートし、15分にDF2髙田椋汰のキャノンシュートで先制。だがその後に試合運びが慎重になったのか、中盤でのこぼれ球を巡る争いで相手に遅れ、自分たちのゴール前までボールを運ばれる場面を多く作られるようになってしまった。それでもGK33林彰洋のファインセーブなどでしのぎ、最後は時間を使って1-0で逃げ切り。森山佳郎監督は「こちらのペースに戻すことができずに、非常に内容的には悪いゲームだった」と、試合後の感想では反省が先立った。

 ただし、監督がその後に「ちょっと反省でもあり、たくましくなったことでもあります」と続けたように、内容で苦しみながらも欲しかった勝点3をもぎ取ったことは、チームの成長を示したものだった。相手に押される苦しい展開でも最低限球際での争いで勝ち、自分達のゴール前では相手のシュートコースに体を投げ出してブロックする。こうしたシーズン当初からの献身的なディフェンスを、苦しいときこそ発揮することで仙台は勝利できた。試合運びがうまくいかないときでも、とるべきアクションをとれたとも言える。

 今節の相手である群馬は、これまで戦略家の大槻毅前監督のもと、相手の良さを消す策に長けていたチームだ。ときには5バックにしてスペースを消して相手の攻撃のスピードを落としたり、変化をつけた攻撃の組み立てで相手のバランスを崩したりしてくる。左利きのボランチMF35玉城大志やDF22高橋勇利也が攻守のバランスをコントロールしつつ、味方に好パスを配球。対戦相手の嫌がるスペースを確実に突いてくる。FW10佐藤亮の左足からの多様なキックやMF5川上エドオジョン智慧の前への推進力など、個人能力で形成を逆転できる選手が隙を狙ってくることにも注意したい。コーナーキックやロングスローでも、変化をつけて相手を崩そうとしてくる。この仙台戦を前に監督が交代したが、武藤覚新監督も前体制でヘッドコーチを務めており、この短い準備期間で基本戦術を大きくは変えないと予想される。

 仙台は群馬の巧みなリアクションに苦しめられる展開に持ちこまれたとしても、慌てず、それ以上のアクションで相手の対策の上をいきたい。例えば髙田が鹿児島戦で思い切って蹴ったミドルシュートもそうだし、MF14相良竜之介の突破やMF11郷家友太のゴールに飛び出す動きは、対策を取られていたとしても駆け引きや出足の鋭さでそれらを打ち破ることができる。ホームでサポーター達がPASSIONをこめた声援で後押しすることでも、そうした前向きなアクションが促されるはずだ。

 内容のいい試合も悪い試合も経験して、勝って学ぶ流れを作ることが、今後の成長にもつながる。この群馬戦で連勝をさらに伸ばして、ベガルタ仙台が勝点と自信を上積みする流れに乗ろう。