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VP EYESMATCHDAY PROGRAM
「V PRESS」

守備の堅さ、鋭さは両チームとも強み。
仙台はそのどちらも相手を上回り、勝利につなげる。

 ベガルタ仙台はホームゲームが続くこの明治安田J2リーグ第13節で、前節までの悔しさを晴らし、先の道を切り開く勝利が欲しい。前節の悔しい敗戦から守備を引き締め、その堅さと鋭さをいい攻撃につなげ、相手の壁を崩したいところだ。

 今節の相手である山口は新たなシーズンに志垣良監督を迎え、これまでと違ったカラーのチーム作りで結果を出している。山口といえば長年攻撃寄りのスタイルで、前傾姿勢の布陣からゴールを狙うことが続いていたが、志垣監督は堅実堅牢な守備組織をまず植え付けるかたちで再構築中。大きな変化ではあるが、チーム全体がその変化を受け入れ、大崩れしない戦いぶりで勝点を積み重ねている。

 山口の中盤より後ろのガードの堅さは特筆ものだ。最後尾のGK21関憲太郎はたとえ組織を崩されても1対1でのシュートストップでゴールを守り、状況に応じ前に出たり構えたりできるDF13板倉洸と対人守備に強いDF3ヘナンの両センターバックは強固。中盤のフィルター役であるMF18相田勇樹の守備強度も高い。チーム全体で献身的にカバーし合う守備は、ここまでリーグ戦5試合で無失点を達成しており、前節も鹿児島をシャットアウトした。

 仙台もGK33林彰洋やDF5菅田真啓、DF22小出悠太が開幕からハイパフォーマンスを発揮して固い守備を見せているが、ここ2試合は複数失点を喫しており、今一度引き締めが必要だ。そのために大事なことのひとつは、MF6松井蓮之やMF37長澤和輝、MF17工藤蒼生といったボランチが中盤で激しい守備により相手を食い止め、周囲のポジションとチャレンジ&カバーの関係を作りながら攻守のバランスを整えること。そして何より、最前線でのFW7中島元彦らのプレッシングを迷いなく繰り出し、そこに続く選手が相手を囲い込んでボールを奪うという連動性をしっかり再整備したい。山口にはFW20河野孝汰やFW24梅木翼のような力強いFWや、DF48新保海鈴のように鋭いクロスを送る選手もいるが、そうした相手を強度の高い前向きな守備で食い止め、ボールを奪いたい。

 そこから攻撃に転じた仙台は、守備の鋭さ同様に相手ゴール前へ迫力とともに突き進みたい。前節の千葉戦は最後のシュート精度を欠いてしまったことが反省点ではあるが、積極的に相手守備組織の間に縦パスを打ちこんだり、MF24名願斗哉やMF14相良竜之介らがドリブルで勝負を挑んだりして多くの攻撃の形を見せた。守備の鋭さは、攻撃にも好影響を与える。相手の堅固でハードワークに基づいた守備を上回る強度で、仙台は主導権を掌握したい。ピッチで戦う選手達の歩を前に進めるのは、そのプレーする選手やスタッフだけでなく、サポーターのPASSIONだ。それが結集すればきっと壁は崩せる。勝利を掴み取ろう。