春のホームゲーム連戦のふたつ目。明治安田J2リーグ第6節は、ベガルタ仙台にとって勝ってさらに勢いをつけたい一戦だ。森山佳郎監督率いる2024シーズンのチームは、このユアテックスタジアム仙台でサポーターの後押しを受け、強烈なプレッシャーで相手を突き崩し、勝利へ邁進する姿を見せてくれるだろう。
今節の相手は徳島ヴォルティス。シーズン序盤はなかなか結果が出ず苦しんでいたが、J2第4節・水戸戦で今シーズン初勝利。スタイルは明確なだけに、勝利で自信を得てこのユアスタに乗りこんでくるのは仙台にとって厄介だ。相手が勢いに乗らないよう、試合開始から集中して入りたい。
徳島は昨シーズン途中に就任した吉田達磨監督のもとで、チームとしてのボール保持のかたちを構築している。もともと足下の技術が高い選手が揃い、近年はスペイン人監督達の指導を受けてパスワークを機能させるためのポジショニングも仕込んできた。FW8柿谷曜一朗やMF10杉本太郎は個人でのボールキープ力も相手の隙を突くパス能力も高く、彼らにボールを持たせれば生半可な守備では奪えない。右サイドからはFW13西野太陽が、左サイドからはMF24西谷和希がそれぞれ前への推進力を見せ、中央ではMF54永木亮太やMF27島川俊郎がパスをつなぎながら全体のバランスをコントロールする。
仙台としては、この徳島のボール回しをいかにして得意のプレッシャーで食い止めるかがこの試合の鍵になる。方法論は違うが、前節でもパスを細かくつなぐタイプの熊本と対戦していることも参考になるだろう。前線のFW7中島元彦やFW28菅原龍之助らがかける献身的なプレッシャーを後方のポジションまで連動させ、相手のパスルートに割って入りたい。ボールを奪えばMF27オナイウ情滋のスピードやDF39石尾陸登の長距離ドリブルなどを生かして相手陣内に素早く運び、ボールを相手ゴール前で動かして決定機へ持ちこむのが理想だ。そしてボールを奪われたら、相手のボール回しのリズムに乗せないために、再び奪い返したいところだ。
こうした攻守のコントロール役として、今節はボランチのポジションに注目したい。今シーズンは開幕戦から2年目のMF17工藤蒼生と経験豊富なMF37長澤和輝がコンビを組むことが多く、彼らが全体のバランスを見ながら攻守両面で貢献している。長澤は状況に応じてポジションを調整し、味方をサポートしたり、相手のパスやシュートをブロックしたりできる。工藤はボール奪取から味方をパスで動かしつつ、自身も機を見て中央でもサイドでも攻撃参加。ミドルシュートも積極的に狙う。前節・熊本戦では左足から鋭いパスを出すMF8松下佳貴が先発した。さらに攻撃のしかけが豊富なMF10鎌田大夢、力強い守備ができるMF6松井蓮之も出番を狙う。どの選手の組み合わせでも、徳島にボールを渡さず、味方を相手陣内に走らせるサポートをすることで、ゲームの主導権を握る働きができる。
ボランチを中心にボール争奪戦を制し、攻守とも果敢に前へと出る仙台のスタイルを、存分に見せたい一戦。勝利して、喜びのPASSIONを分かち合おう。