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「V PRESS」

　今シーズン、仙台の補強の目玉として、大きな注目を集めたのがイサッククエンカだ。スペインの名門クラブ、FCバルセロナのカンテラ（下部組織）で育ち、ドリブル、パスの技術も非常に高い選手で、攻撃の核として大きな期待を集めた。しかし、始動直後の負傷により、スペインに帰国し治療をすることとなった。さらにはコロナ禍となり、長らくスペインで治療を続け、仙台に帰って来たのは7月末だった。

　そして、長いリハビリからようやく復帰したのは10月3日の第20節・札幌戦。わずかな時間ではあったが、技術の高さの片鱗を見せた。その後、試合を重ねる中で、徐々に周囲との連係も磨いていった。第25節・広島戦ではFW長沢駿が「イサックはキープしてドリブルでボールを運べる選手なので、あまり近寄らずに、来るボールに合わせようと思いました」とクエンカの特性を理解しながらボールを受けようとしていた。こうしてクエンカに合わせようと周りの選手も努力を重ね、キープ力の高さやパスセンスの高さ、相手をはがしていくドリブルなど、クエンカ本来の持ち味が生き始め、攻撃に良いリズムが生まれた。

　今後はさらに周囲との連係を深め、ゴールにつながるプレーを増やしていきたい。鳥栖在籍時は6ゴールを挙げており、高精度のシュートにも期待したい。古巣相手に本領発揮し、仙台にホーム初勝利をもたらしてほしい。