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10月28日(土) Jリーグ シーズン移行に関する意見交換会(質疑応答) 議事録

掲載日:2023年11月10日

10月28日(土)に開催しましたJリーグ シーズン移行に関する意見交換会(質疑応答)の議事録を公開いたします。
※冒頭に実施したシーズン移行についての現状説明については割愛いたします。Jリーグのシーズン移行の説明動画や資料を参照ください。
次の30年に向けて(シーズン移行検討[J.LEAGUE][PDF]
【前編】シーズン移行議論とは?Jリーグがさらに成長するための最適なシーズンを考える。[J.LEAGUE]
【後編】シーズン移行議論とは?Jリーグがさらに成長するための最適なシーズンを考える。[J.LEAGUE]

10/28 Jリーグ シーズン移行に関する意見交換会(質疑応答)の議事録

■ACLのシーズン移行に合わせてJリーグもシーズン移行するとあるが、現行のシーズンの方がクラブにメリットがあると思う。現行のJリーグシーズンだと、ACLのグループステージで勝ち上がり、決勝トーナメントに進出した場合、オフ(1月、2月)に適切な補強ができる。逆にグループステージで負けたら補強をしない。今の方がメリットあるのでは?

クラブスタッフ
グループステージで敗退すれば、シーズンオフ(12月、1月)の補強はしない、勝ち上がればさらなる補強をするというのは、クラブにとって非常に納得感、説得力があるご意見だと思う。Jリーグの考え方は、グループステージも決勝トーナメントも同じチームで戦えるほうが有利という考え方だが、いただいたご意見はJリーグに届ける。

■シーズン移行すると具体的にお金が増えるなどの話があるのか。

クラブスタッフ
具体的にこれが増えるというものは示されていないが、ACLにシーズンを合わせて、ACLで優勝、クラブワールドカップで、海外の強豪チームと本気で戦うことで、リーグが全体の価値があがる。発展する、注目度があがる、放映権料もが上がるだろう。トップラインがあがり、それに引っ張られて、J2、J3も発展していくだろうというのが、Jリーグの考え方である。

■ACLに出場する4クラブのために、Jリーグ全体が巻き込まれているような気がする。
このまま日本だけの市場ではどうにもならないことはわかるが、シーズン移行で具体的に改善する施策が見えない。シーズン移行だけで、お金が増えることが夢のように感じる。

クラブスタッフ
ACLに出られるクラブは将来的に拡大することもあるかもしれないが、ACL出場クラブは少数派であることは間違いない。少数派ではあるが、大きいクラブが出場し、その大きいクラブの活躍に他のクラブが上に引っ張られる。その構図の説得力が薄いというご意見であると思う。今の資料の説明では見えずらいと感じざるを得ないということは、しっかりと受けとめ、Jリーグに届ける。

■8月開催ではなく9月からの開催がいいという意見もあるようだが、8月はお盆や夏休みがあるなど観戦しやすさもあるので、8月からの開催でいいのでは?

クラブスタッフ
Jリーグの資料では、インテンシティ的には、8月開幕で徐々に涼しくなることで、強度が下がるのではなく、上がるということで、改善されるのではと示されている。9月からの開催だとブレイクが長く、日程が過密で組みづらくなるという部分もあるかと思う。

■仙台は寒冷地である。冬季に開催するにあたり、スタジアムの暖房設備や練習用ドームなど対策費用を積算し、各クラブ平等にサッカーができるようしっかりとJリーグに求めてほしい

クラブスタッフ
リーグで財源を確保し、分配するという考えはあると聞いている。具体的な金額はまだわかないが、今クラブとしては、キャンプを2回開催した場合に、具体的に幾ら掛かるのかを提出しているのが現状である。

■移行期シーズンは1.5や0.5ではなく、3ステージ制でもいいのでは。年間チャンピオンは、天皇杯やルヴァンカップの優勝チームを入れてトーナメントを実施するなどはどうか。
3ステージの場合、ホーム&アウェイ+第3の地域で開催。東南アジアや国立など他の地域で盛り上がりを見せていくのはどうか。

クラブスタッフ
3ステージは新しく面白い案であり、リーグにも伝えたい。国立開催も他のクラブが実施をしている。仙台が実施する際には賛否両論もあるだろうが、マーケティング的にあり得るかもしれない。東南アジア開催、特にタイなどはJリーグのサポーターが増えている。そういった市場を狙うこともいいことである。

■シーズン移行した場合、キャンプが2回必要。との話だが、1回でいいのでは。
仙台は比較的涼しいので、様々なチームを招集して、大会などを開催する。海外のチームを呼ぶなどはどうか。

クラブスタッフ
キャンプを実施する目的は、冬季の練習場確保という目的とそれ以外に、練習試合をするため、寝食を共にしてチームの一体感を作るなどがある。仙台にて合同で実施する場合、ホテルがあるのか、グランドがあるのか、という物理的問題はあるが、それを機にインフラ整備が整うなどもあるかもしれない。非常に貴重なご意見として受け止める。

■ベガルタ仙台としてシーズン移行、賛成なのか反対なのかはっきりしてほしい。
決めていないのであれば12月に決議するということで、遅いのではないか。

クラブスタッフ
現状シーズン移行について、決まったかのような雰囲気や論調が見られるが実際にはまだ何も決まっていない。各クラブシーズン移行の検討会を実施している。もちろん既に、賛否を決めているクラブもある。条件付き賛成としているクラブもあると報道で聞いている。
当クラブとしては、本日の意見交換会でみなさまの意見をいただき、それを基に決めていきたいので、クラブを動かす意見をいただきたい。

■サポーターの意見を聞くことも大事だが、現状としてクラブの賛否は提示できないのか?

クラブスタッフ
現状賛否を決めるにあたり、課題や懸念が多く、その懸念に対し議論や答えが尽くされていないので難しい。例えば、幾ら財源が補填されるのか。そもそもお金で決めるのか。リーグから正確な回答がないので、不公平感をなくす状況を示してほしいというのがクラブの意見。それがないと賛否が決められない。求めている明確な回答がまだリーグからない。

■クラブの賛否はいつ決まるのか

クラブスタッフ
12月の理事会で決めるということになっているので、それまでには賛否を決める。

■ベガルタ仙台が降雪クラブに認定されていないのは具体的にどういうことか?認定されていないのは、仙台だけか。降雪が少ないとしても寒冷地で観戦するには非常に危険な状況でもあると思う。秋田のアウェイでも大変寒い思いをした。現実的に開催は無理だと思うがどうか。また、県外に住んでおり、公共交通機関を使い、ユアスタに観戦に来ている。冬は交通機関が動くのか。県境を越えるときなどに降雪地域を通ることで、観戦に危険を伴う。安全性が担保されていない。

クラブスタッフ
降雪クラブはアウェイ3戦連続などが認められているが、仙台は降雪クラブとして認められていない。東北のJクラブでは仙台だけである。
ご指摘の通り、雪が降らないから問題ないということではない。寒冷地であり、真冬に観戦に支障をきたすのは事実である。東京と仙台の寒さは全く違う。コンクリート打ち放しのスタジアムでの観戦は大変冷える。快適な観戦環境とは異なってくる。アウェイへの移動も雪で支障がでるという意見はその通りである。真冬には開催をしないスケジュール案ではあるが、懸念はご指摘の通りである。

■平日開催が増えるとのことだが、平日開催はいつの時期に増えるのか?寒い時期か?

クラブスタッフ
具体的な日程案が示されていないのでわからない部分もあるが、寒い時期に増える可能性は十分にあり得ると思っている。これまでも当クラブは3月に平日ナイターを開催している。実施してみないとわからない。

■ボランティアさんの支えがあって、クラブが成り立っているが、その点でも支障をきたすのではないか。ボランティアさんがいないと、有償の人員で運営するのか。

クラブスタッフ
当クラブは、ボランティアのみなさまの支えがあって成り立っており、絶対に欠かせない。ボランティアさんが集まらずに有償人員で運営するとなると、費用増、収支悪化を招くので、それは避けたい。平日開催はどの案でも増えるので、ボランティアさんもお客さんも集まりづらいことは想定される。それらも踏まえて、クラブの意見を決めたい。

■スタジアム調整における行政年度のズレや新卒選手加入のタイミングなどの問題をみると、Jリーグは日本の行政年度に合わせることで成り立っていた。にも関わらず、ACLや日本代表の強化のために移行する事が、ベガルタ仙台の強化に本当に繋がるのか。ビジョンはあるのか。

クラブスタッフ
行政年度とずれることによる「いずさ」は否めないと思っている。クラブは自治体、行政、地域の支えと協力で成り立っている。根本的にずれていくことが、プラスに寄与するかどうかは難しい。ここをずらすことによって、チームが強くなるのかお金が多く入ってくるのかという明るいビジョンが明示されているかというと、ACL優勝、クラブワールドカップ出場などしか示されてないため、具体的な説得力、納得感がある答えは見いだせていない。

■降雪クラブに認められていないことに対してクラブはどう感じているのか。Jリーグに対してどのような姿勢をしめしているのか?

クラブスタッフ
これまでのシーズンでは大きく違和感を唱えることはなかったが、シーズン移行の議論が本格化してきた今年度になって、影響が大きいことからそれを今Jリーグに問い合わせをしている。降雪クラブの定義とは?仙台が認められていない理由?などを問い合わせているが現在はまだ回答がない(23年10月28日時点)ので、問い合わせを続ける。

■12月に決まるかもしれないというタイミングで、現在降雪クラブに認められる認められないという事だが、降雪クラブがハンディにならないような何らかの補償などがJリーグからある場合に、ベガルタ仙台はその恩恵が受けられずに一番悪影響を受けるクラブとなってしまうのではないか。時間がないのでは。

クラブスタッフ
Jリーグの財源の補填は、降雪クラブだけなのか全クラブなのかは、議論の最中である。
全クラブに分配する案もあるが、それによって別の不公平感も生まれる。仙台が降雪クラブではなく寒冷地クラブであり、それでハンディを負うことがないようにしっかりとJリーグと協議していきたい。

■12月に決定する中で、この時期に意見交換会は遅いのでは。他クラブは夏にも実施をしているが、この時期の意見交換会で問題はないのか。

クラブスタッフ
まだ何も決まっていないというのが現状である。細かい疑問点を深堀りし議論をしている段階である。他のクラブでは早くに意見交換会をスタートしているクラブも承知しているが議論をする素材がない中、まだ決まっていません、回答がきておりません、という段階で議論しても前に進まない。議論する素材がある程度リーグから示されて討論できるタイミングで実施をしようと考えていたので、遅きに失してはいない。

■冬の試合観戦に命の危険を感じるという意見があったが、夏のアウェイ、暑さで危険を感じた。我々は東北のクラブだが、九州のクラブはシーズン移行のメリットが大きいのではないか。以前のサポーターズカンファレンスで、Jリーグからシーズン移行のメリット、デメリットが示されており、クラブからデメリットは示されていたが、クラブのメリットは何一つもない、と言い切っていたが、本当にないのか。仮にシーズン移行が決まった場合、懸念やデメリットだけの議論では後手を踏むのでは。決まった場合のメリットを一つもないかどうか、確認したい。

クラブスタッフ
シーズン移行の議論を進める中で、降雪対策だけでなく、暑さ対策の議論にも広がっている。真夏にサッカーをすることで、命の危険もあるということも踏まえてシーズン移行の議論になっている。
メリットとしては、8月にサッカーが開幕することで今よりは良い状態で8月を迎えられるというのはある。今年は猛暑であり、パフォーマンスが落ちたというのは全クラブにあると思う。現場や選手からはシーズン移行しようがしまいが、サマーブレークを設けてほしいという声はある。実際Jリーグでも来シーズンから夏の中断について検討をしている。目的は、夏の暑い時期に少しでも開催を減らすためである。クラブとしては、夏に試合がないと、お盆などの集客力とビールが売れる時期に試合がないなど、ビジネス的にはデメリットが多いが、選手あってのJリーグである。
夏の連戦によって事故が起こる可能性がある。シーズン移行のメリットとしては、選手がハイパフォーマンスでシーズンを過ごせる。夏のサッカーと冬のサッカーでは全く違う。面白い試合は、寒い時期の方がいいというのは肌感覚でもおわかりかと思う。Jリーグ的にインテンシティの高い試合、最後まで走り切れる面白い試合が見られるのは、全体のメリット。当クラブがJ1に復帰してACLに再度出られた場合には、世界に羽ばたきやすいというのもメリットである。

■現場、選手からサマーブレークの話がでているとの話だが、ベガルタの選手が言っているのか?

クラブスタッフ
当クラブだけでなくJクラブ全体で出ていると聞いている。日本が異常気象でここ数年暑くなっていることが影響している。

■年度がずれるということで、スポンサー営業に影響が出るかもしれないという話だが、バレーやバスケは既に年度がずれている。そういったクラブに影響などをヒアリングなどはしているか。

クラブスタッフ
まだ、具体的にヒアリングはしていないが聞いて見たい。そもそもバスケはスタートから期がずれているが、参考にさせていただく。

■Jリーグの実行委員会で決まると聞いているが決め方は多数決か?それともそれを参考にチェアマンが決定するのか。

クラブスタッフ
Jリーグの理事会にて多数決で決まる。

■降雪クラブなどで意見を相談したり集約する。足並みを揃えたり、横の連携をとったりはしているのか。

クラブスタッフ
降雪クラブだけでの分科会や降雪クラブ同士で社長のLINEのグループを作ったりと横の連携は当初から図っている。が、当然降雪クラブ同士といえども、環境は異なり、考え方も変わってくる。降雪クラブだから全クラブ横並びで考えが一致するかというそうではない。それぞれの考えを尊重しながら、協調できることは協調する。降雪クラブでも条件付き賛成のクラブもあれば、反対を表明しているクラブもある。連携できることは連携するが、考え方は異なってくる。

■クラブのトップとして社長の考えを直接聞きたい。また、社長としてJリーグと議論することがあると思うが、その際にどういった話をしているのか聞きたい。

代表取締役社長 板橋秀樹
実行委員会でどのような議論がされているかだが、2月に頭出しがあって、4月に進め方の議論があり、最初は実行委員会の中で議論をしようという動きだったが、あまりにも論点が多いので、これは分科会を設けなくては、という話になった。当初4つの分科会であったが、これでも足りないということで別途、会場確保の分科会を新たに作り、その1回目がつい先日行われたばかりという状況。総じて、議論を進めていくことによってまた新たな課題が出てくるという状況で、全ての疑問や課題に対して、みなさんが納得できる回答が示されているかというとまだそこまでは至っていないという状況。したがって、私どもの認識としては、今まで議論したものの中で合意できた部分は合意をしましょう、ただ、残された課題はまだありますよね、それについてはしっかり議論して、みんなが納得する形で最終的な結論を導くべきだ、というのが、現時点での私の考え方である。
一方で、60クラブの中には、最初から賛成というクラブもある。いわゆるトップチームのレベルアップというのを非常に大きく尊重するクラブというのもいて、そういう方々の中にはなるべく早く結論を出してほしいという意向をお持ちの方もいる。
また、降雪地域の話があったが、クラブの中には元々降雪クラブだけが課題を抱えているわけではないという意見や、先ほどもあったが、南の方はもう暑さで大変だと、あるいは台風や大雨などに襲われる地域もあると、大変なのは別に雪国だけじゃないですよ、という言い方をされるクラブもいる。それぞれの地域がそれぞれ異なる環境の中で、なんとか自分たちの目標に向かって努力をしているという現状であり、そういう意味では、自分の所は大変だというのは、実はみなさん様々なご意見を持っているというのが現実。シーズン移行に伴って必要経費は必ずかかる。全体の負担になる。それを何とかして欲しいというのは60クラブみな共通の思いである。最終的にはそれを配分するための財源を確保しましょうということでJリーグは今、その配分する額のたたき台のようなものを作成しており、その額はみなさんの財源になるので、どのように分配をすればいいか。降雪クラブだけじゃないでしょう、という意見もある中、じゃあどのように分配の公平性を確保するのか。これが非常に難しい話になっている。言い値ではできないという話だったり、平均をとってという話だったり、平均ではいけないから平均プラス何か別の変数を入れてなど、様々な考え方がある。それぞれ、一長一短あるが、全体としてみなさんが納得できるまでは至ってないという状況で、議論の途上にあるというのが私の現実的な認識である。この段階で賛成、反対という議論は、正直、判断材料が揃ってない中でできないと思っている。
一方で、早く結論を出してほしいというクラブもあり、Jリーグとすれば、議論がまとまれば早期に方針を出したいということで、これからの議論によって熟度が定まってくる。そういう段階だと思う。他クラブの社長さんのコメントにあるが、Jリーグが思っているように早期に結論が出るかどうかは、まだわからない。議論がまとまればということなので、場合によってはそこで議論がまとまらないということもある。様々な課題があると考えている。クラブの中には、結論をあまり急ぐべきでないというお考えのところもある。そういったことも全部ひっくるめて、最終的には実行委員会の中で様々なご意見があったものを含めて、理事会の中で議論し、そこで多数決で決めるという、建付けになっていると言うのが現状である。
クラブとしての考え方、現状認識については以上である。