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10月5日(木) 株式会社ベガルタ仙台 取締役会後 記者会見議事録

掲載日:2023年10月6日

昨日、10月5日(木)に開催しました株式会社ベガルタ仙台 取締役会後の記者会見議事録を公開いたします。

10/5 株式会社ベガルタ仙台 取締役会後 記者会見議事録

代表取締役社長 板橋秀樹(以降 板橋):
2023年度の中間決算の状況ですが、上期にホームゲームが集中しており、入場料収入を中心に上期の売上高は堅調でした。
しかし、通期の収益ではスポンサー収入が予算比マイナスとなり、ホームゲーム後半戦で入場料収入も伸び悩んでいることなどから2,400万円の赤字を見込んでいます。期末に向け、売上拡大と経費削減に取り組み、黒字転換を目指してまいります。
次に、内部統制システムについてです。6月のホームゲームでありました。ジュビロ磐田戦におけるサポーターのバス囲み。また7月には元社員による不正行為が生じています。これらは当クラブにとって非常に重大な事案でした。これを受け、再発防止策と信頼回復に向けた取り組みについて、本日の取締役会でご報告させていただいております。
最後にチームの現在の成績についてでございます。J2優勝、自動昇格を掲げて今シーズンをスタートしておりましたが、現状は大変厳しい状況でございます。ご期待に沿えずに大変申し訳なく思っております。まだ数字上、昇格の可能性がある限りは1戦必勝の思いで、一丸となって目の前の試合の勝利を目指してしっかりと戦い続けてまいります。

(以降、質疑応答)

■通期で赤字の見込み、スポンサー収入減少の要因、分析を教えてほしい

取締役 北畠泰之(以降 北畠):
入場料収入ですが、目標が4億1,000万で今年度スタートしています。上期の時点では計画通りですが、その後6月11日のジュビロ磐田戦から11試合勝ちが無い、不祥事の影響等々で、有料の発券が少し計画よりも伸び悩んでいるというのが実情です。見込みとしては、計画よりも3,400万円のマイナスを見込んでいます。
スポンサー収入は、大口の広告協賛が継続できなかったことなどもあり、昨年よりも実績としてはちょっと下回りそうです。ここについても不祥事など、クラブの信用を損なうようなことが起きたので、バス囲み等々、多少影響が出ていると感じています。

■バス囲みのほか、不正行為も影響しているのか

北畠:
そうですね。社員の横領事案につきましても。

■コロナが5類になったことで、来場者数に期待していたと思うが、実際と比べてどうか

板橋:
コロナの影響はリーグ全体他のスポーツ競技でもそうですけれども、かなり大きな影響、マイナスの影響が過去3年ほどのコロナの流行期においては相当大きかったというのは事実です。ご案内のとおり、5類に移行したことで、人の流れは随分活発になりました。県境を越えた人の移動も自由になったことも、特にホームアンドアウェーで運営をしている我々、サッカーは非常に影響が大きいと思っています。 結果としては、昨年の実績よりも足もとの状況は確実に上向いていると言えると思います。ただ、これは全てのクラブが一様ではありません。勢いは多少ばらつきがあります。私どももこういった上昇傾向を積極的に、いわゆる底上げをしながら継続をして、できるだけ早く、コロナ前の水準まで戻したく取り組んでおります。
先ほども申し上げたように、いろいろな今年の事象も影響して、成績が当初の期待を下回ってしまったこともあり、お客さま来場に力強さが欠けている面は残念でございます。その点は、我々としても集客イベント、サポーターの方々、ホームタウンの方々に対するお声がけなどしながら、集客の回復力の向上にこれまでも取り組んでいますし、シーズンもまだ残っております。
来シーズンに向けても、特に30周年という節目であり、さまざまな記念イベントを構築し起爆剤にして、新たなお客様の来場を促したいと考え、イベントのアイデア、あるいは工夫を全社横断的に取り組んでいます。

■チーム成績の低迷の要因は

板橋:
トップチームの成績についてはいろいろな理由があると思います。これが一つということはないと思いますが、当初想定したチームとしての戦術がピッチ上で具体的に展開できるかというところもありますし、また相手方とのいわば探り合いというバランスもあります。一部選手のけがが相次いだというような事態もあると思います。いろいろな要素が組み上がっていますので、これが一つということはないとは思います。
いずれにしても、今シーズンのいろいろな課題をシーズン終了後にはしっかりと総括し、また立て直していけるように検討したいと思っています。

■6月の磐田戦のサポーターのバス囲みの後、クラブのホームページで発表があって、出入り禁止を通告して、その後は順次報告するというのがあった。現時点で言える範囲で何人にどういう処分をしたか知りたい。再発防止策を教えて欲しい。

北畠:
7月7日に、6月11日の磐田のチームバス囲みに関する処分のリリースをしており、22名の無期限入場禁止、うち1名には通告済みとしました。その後、SNS上でもいろいろなご意見をいただいておりますが、通告だけ申しますと現時点では22名のうち14名に通告が済んでいます。
加えて申しますと、立ち入り制限エリアに入ったサポーターの数は22名より多いのですが、みなさんが処分の対象とはなっていません。明らかにエリアに侵入して、法令やリーグ統一禁止事項を含む観戦ルールに違反したと確証が得られた方、22名を処分対象としています。
再発防止策については、立ち入り制限エリアにあれだけの方が入ってきたのが最大の問題点だと思っております。予兆は私どもも把握していましたので、予兆があった場合には、エリアを守る、このエリアから退去いただきたいという意思表示をしっかりする等々、クラブの中でルール決めをしました。
場合によっては、警察の方に対応いただくことも含め、リリースもしていますが、事象が起きたときには録画もすぐ開始することを考えています。

■あれだけの方と言うが、クラブとしてどのくらいの人数だと把握しているか

北畠:
正確なところは数えたわけではありません。22名の何倍かはいらっしゃったという認識です。

■該当するサポーターなどが7月に会合を開いていると思う。その議事録も公開されているが見ているか

北畠:
拝見しました。

■100〜200人がいたとして、22人が特定された理由。映像で確認したのか。どういう理由で特定したのか

北畠:
もともとその6月11日の直後、2回リリースさせていただいているんですが、その時点では実はその物的証拠、あるいは証言が非常に足りなかったんですね。
ただ、磐田の立場に立つと、当然前代未聞の事案です。何らかの証拠、証言を調査で得ようと努めまして、それが得られたのが大体6月末ぐらい、それに基づいて7月7日に処分を確定したという流れです。

■この件でJリーグからの制裁などは

北畠:
Jリーグの最終的な公表を待っている状況です。何らかの形で公表されるのではないかと思っております。

■一連の騒動に関し、該当していないサポーター、応援の中心の人たちだと思うが、自粛、抗議の意思を示しているようだ

北畠:
全て、私どもは明らかに違反だという事実に基づいて処分を決めておりますので、どうご理解されるかという点は非常に難しいところですが、証拠を開示しているわけでもございませんので。通告が全て終われば対象じゃない(と思うかもしれません)、ひょっとしたら自分も対象じゃないかと思っておられる方もいるかもしれませんので。通告がまだ全部済んでおりませんので、そこを急ぎたいと考えています。

■9月上旬、Jリーグ60クラブの共通メッセージ、実行委員会の話だと思う。クラブのサポーターの観戦、安全安心について、社長の意見を教えてほしい

板橋:
メッセージはみなさんご覧いただいているように、日本サッカー協会とJリーグに参画をしている60クラブ共通の連名でのメッセージです。いろいろな方々から事案に対していろいろなご意見があって、それに対して日本サッカー協会とJリーグ、メッセージをきちんと出して二度と生じさせない姿勢を明示すべきという観点でお出しになったものだと思っています。
私どももサポーター関連のトラブル当事者でもありますので、本当に考え方はメッセージに述べられている通りだと思っています。特にファン、サポーターの方々、あるいはベガルタのサポーターの一番の強みは大きな声援、熱気でありまして、トップチームが背中を押していただいている。これは本当に事実ですし、そういった要素は我々にとって本当に大事な財産だと思っております。
一方で一部の若干、短絡的といいますか、そういう考え方や行動によって、ほかのお客さまの観戦環境が乱されることは非常に残念ですし、ご指摘のメッセージにもありますように、いわゆる暴力、破壊行為、威嚇といったものは、年齢層にかかわらず、多くの方々が自由にサッカーを楽しんで有意義な時間を過ごしていただくことによって我々は成り立っておりますので、良好な観戦環境。これはしっかり守っていくということは本当に大事なことだと思っております。
サッカー界全体を将来に向けて押し上げていくためには、いわゆる子どもさん、家族連れの方々、初めてサッカーをご覧になる方々、今サッカーに関心が比較的浅い方もこれからどんどんサッカーに関心を持っていただきたいです。スタジアムに来て観戦して、ああよかった。また来たい。と思っていただける環境を作ることが本当に大事だと思っていますので、我々はやはりみなさんに安全安心で快適な環境をつくるという観点で、先のメッセージは非常に重要なものだと思いますし、考え方は私どもも全く同じ考え方です。

■クラブ側の落ち度とするとエリアに入らせてしまったことになるのか

北畠:
それは否めないと思います。

■現在のスタジアムの応援状況について、社長はどう感じているか

板橋:
いろいろな事象があり、従前と変わったとおっしゃる方もいます。変わったことについての賛否の意見もさまざまあると聞いています。
ただ、我々は申し上げましたように、いろいろな方々がスタジアムで自分なりの楽しみ方ができる。安全安心で魅力のある環境づくりというのが重要だと思っていますので、そうした環境づくりを一緒にやっていこうという方々と、いろいろな方々がさらに集まって楽しんでいただけるような環境づくり、応援を一緒に考えていければと思っています。

■無期限の入場禁止処分は、22名に対して無期限で入場禁止するということでいいか

北畠:
そうです。お一人ずつに通告させていただきます。通告をしている段階です。

■スポンサー収入の減少に影響している横領の件。以前の会見において、管理責任についてはJリーグの判断を踏まえたいとしている。Jリーグの判断はどうか。

板橋:
先ほども申し上げましたが、Jリーグから正式なご判断はまだ公表されておりませんので、私どもとしてはそのご判断を待っているところです。

■2015年からでしたから、その当時の経営陣からの責任ではあると思うのですが、何らかの形で責任を示すというか、社員の不祥事だと経営陣が責任を取ると言うのがあると思う。管理責任は

板橋:
最終的な公表はまだですので、踏み込んだコメントは控えますが、世間を騒がせる事案を生じたことは事実です。そういう事案が生じた結果自体は動かないわけですので、結果責任というのは当然あると思っています。

■不祥事に関して、取締役会では厳しい意見はあったのか

板橋:
先ほどの取締役会の中でのやりとりについては、まだコメントできない状況でございます。

■以前の取締役会、事案について実施した際は厳しい意見はあったのか

板橋:
取締役会の中でご報告はさせていただいた。いろいろなご質問があったのは事実、内容についてご質問いただいたのは事実です。

■事案の後で離れてしまったスポンサー、あるいはスポンサー営業に関して何か支障が出て難しくなったことはあるか

板橋:
今年度のスポンサー契約は、既に締結済みでシーズンも終わりかけていますので、いわゆる来シーズンの営業というのは、これから始まっていきます。影響の度合いは確定しているものではありませんが、当然、我々に対する厳しい目は覚悟しなければいけないと思っています。
したがって、先ほど報告したような事案の報告、再発防止策の信頼回復に向けた取り組み。これをしっかり説明して、私どもに対してのご支援を引き続きお願いしていく。それに尽きるかと思っています。

■シーズン移行に関して、分科会、話し合いが行われていると思う。クラブとしては降雪地域の会合にも入って意見されたと思うが、仙台の意見はどう言ったものか

板橋:
Jリーグでは、60クラブの意向をそれぞれグループごとに行っておりますけれども、選手目線のフットボール観点からの検討、企業採算の面、経営面、あるいはスタジアムの確保、いわゆる積雪寒冷地での冬場の練習環境、最近だと夏の暑さ対策もいろいろ話題になっていますので、それぞれのクラブからさまざまな課題懸念が提示され、いわゆる分科会の形で突っ込んで議論しましょうというので、対応しているのはみなさんご承知のとおりであります。
我々もいわゆる積雪寒冷地と同様、冬場の練習環境については、懸念を持っています。分科会でシーズンが始まるときに雪でピッチが使えない、場合によっては日本海側のクラブは開催そのものが難しいケースもあります。
そうした事案の問題提起というのは、さまざまなクラブからあり、積雪寒冷地でない地域でも台風、風雪雷、大雨洪水、自然災害に毎年のように襲われる地域。そういった場所の課題提示もあります。逆に夏の暑さ対策でより大きな課題を感じているクラブもありますし、地域によってさまざまであります。
したがって、当初言われたような積雪寒冷地の対策だけではなくて、幅広く60クラブ全体の課題提示に議論が広がっている状況で、何回か会を重ねていますが、現時点で全ての課題が解決している状況ではないと認識をしています。
議論が進むごとに、また新しい課題が提示され、それについての意見、置かれている立場で賛成、反対のさまざまな意見が出ているという状況で、議論が決着して終わったという段階にはまだ至っていないと考えています。我々といたしましても、いくつか具体的な懸念事項については、会議の中で発言していますし、他クラブとも共通の問題意識もありますので、引き続き議論をしていく必要があるものと考えています。

■懸念事項というのは

板橋:
積雪寒冷地の場合、シーズン初期の段階、現状でもそうですが、開幕戦でピッチの雪かきからしなければいけない、交通手段に支障がある、お客様の集客上、非常に困難を抱えるといった事案も現実に起きております。
同じ状況で苦労されているクラブからは当初から提示をされていますし、我々もいわゆる積雪寒冷地のイメージを持たない方もいらっしゃいますが、現実にはシーズン初期のころには職員総出の雪かきが現実に起きております。
練習環境は当然ながら、南のクラブと北のクラブでは違いますので、大きな議論をする際に、練習環境の公平性、試合に向けてのコンディションの合わせ方という点も含め、さまざま問題提起をしています。

■8月のJリーグ理事会の後の会見で、ファン、サポーターは作品をつくっていく仲間だと思う、各クラブの実行委員も認識している。と発言している。シーズン移行の話し合いについては、クラブからサポーターに発信する、コミュニケーションすると発言されている。ファン、サポーターの意見の吸い上げは今後していくのか

板橋:
まず内部の議論がまだ進んでいない段階でありますので、一定程度、方向性がJリーグとして出た段階で、いわゆる外部の方々に対してご説明していく必要、これは当然あるだろうと思っております。対外的な説明をする際の資料の統一性、そういった点で各クラブからJリーグに対しても要望が出されており、外部への説明資料については準備したいというお話は伺っております。

■年内に結論を目指すものか

板橋:
スケジュールで具体的なものは伺っておりません。議論がまだ完全に終結していない状況ですので、今後の議論の進め方にもよると思います。

■なるべく早い時期に進めるなどはあるか

板橋:
Jリーグとしては、早い段階で合意できた場合はいつから、かなり整備に時間がかかる場合はいつから、ケース分けで考えていらっしゃいますので、いずれになるかというのは、これからの議論だとと思います。

■今シーズンここまで17位。立て直しには時間がかかると感じる。長期的にチームを作る、J1に上がって落ちないチームを作る。そこも含めてのGMだと思う。強化に役職のある人が何人かいるが、序列、決定権は

板橋:
今の強化の体制というのは、GMが来る前から、今シーズンはそういう状況で動いていましたので、加わっていただき、全体に目配りいただくのも役割になっています。実際に、今シーズンかなり経過した段階で来ていただいていますので、まずチームの現状把握、選手とのコミュニケーションから始められている状況です。
現状は非常に厳しい状況だと思っています。当初期待されたものとの乖離は非常に大きいと思います。要因というのは、複雑に絡み合っていて、一つではないと思っています。
ただ、目指すところはJ1に上がることが最終の結果ではなくて、J1に上がった後に安定して戦い続けられる足腰の強いチームづくり、それを実現する健全な財政基盤の確立。両方が必要だと申し上げています。現状はそれに向け、道半ばという状況です。短期的に挑戦するのはプロサッカーチームである以上、当然のことであり、ただ同時に背伸びし続けるだけでは足もとの揺らぎというのはなかなか収められないと思っています。 そういう意味で、短期的にもちろんがんばる。一方で足腰をしっかり固める。若い人材をどうやって計画的に育てるか、時間のかかる取り組みも、同時並行でやっていかなければいけないと思っておりまして、多くの方々の御意見を伺いながらになりますが、現状を小手先で何とかというのは違うのではないかと思うところです。

■長期的な視点でチーム作りということだが、クラブの役員には定年もある。GMはどうか

板橋:
いわゆる年齢云々ということではなくて、ミッションとしてお願いをしておりますので、達成できる、できないというところで判断すると思います。年齢で切るという考えはありません。

■契約は段階、段階になるのか

板橋:
当然ながら契約ですので、期間というのはありますけれども、内容として、ミッションの達成状況によって、の延長というのは当然あります。

(以上で会見終了)