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試合日程/結果

2017JリーグYBCルヴァンカップ グループステージ Aグループ 第2節 ジュビロ磐田

<渡邉晋監督記者会見>

 お疲れさまでした。水曜日の、まだ寒いナイトゲームで、5000人のサポーターに集まっていただき、我々を力強く後押ししてくれたことをまず、感謝申し上げます。
 先週のリーグ戦で、非常に痛い、辛い敗戦をした後で、我々がこのゲームの中でそれをどれくらい挽回することができるのか、というようなものが試されているゲームでした。ただし、どういう状況でも、プロでサッカーをやっている以上は、次の試合がやってきますから、我々がその試合に対してやれることは、チャレンジと、あとは試合がある以上、それはすべて我々にとってはチャンスだと。挽回できるチャンス、あるいは一人ひとりのプレーヤーにとってみれば、自分の価値を高めるチャンス、あるいはアピールをするチャンス、そういったものを前向きにとらえてゲームにのぞみましょう、ということでゲームに送り出しました。
 ただし、ゲームの入り、それから、前半に終始して言えたのは、ちょっと引きずっていたものはあったのかな、という感じはしています。ボールを受けるのもちょっとこわがっていたように見えましたし、前を見えるところも見えませんでしたし、やはりボールが後ろに行ってしまって、なかなか前進できないというようなものがあった前半だったと思います。
 ハーフタイムで、それらをすべて修正というか、その意識を一掃して、前を向けるぞ、と。こういうかたちで行けば、相手のゴールに迫れるぞ、というような話をしました。実際に、クリス(クリスラン)が取ったゴールは、そのようなチームとしての狙いをしっかりと表現できたゴールだったと思います。
 願わくば、後半もうひとつ先に入れて、もっともっとゲームを優位に進めることが理想ですけれども、一つのゲームで欲張らずに、初めて複数得点ができたこと、あるいは久々に無失点で終えられたことをポジティブにとらえて、次のリーグ戦につなげていきたいと思います。

■ 前日のミニゲームは守備が悪い状態でした。それから一日で、同じメンバーの何が最も大きく変わったと思いますか。

 昨日のゲームを見られた方は「大丈夫か?」と思ったかもしれません。でも、昨日のトレーニングが終わった後に、「まず選手で話せ、思っていることがあるなら話し合え」と言って、おそらく石原直樹が中心になって、そのメンバーがいろいろ話をしていたと思います。私はあえてその話は聞かなかったのですけれども、守備の修正というよりはボールの受け方だとか、そういったことを主に話していたと思います。
 実際に、昨日のそのミニゲームの中でもたくさん点を取られましたけれども、すべて自分たちのボールの失い方なんですよね。では、どうやれば、変な失い方をせずに、相手のゴールに迫れるのかというものを、おそらく今日のスタメンの11人が少しでも共有できたと思いますし、そういったものが、無失点につながったのかなと思います。
 決して、いい守備をやり続けたから無失点、というわけではなくて、ボールの失い方がどうだったかというものが、守備につながると私は思っていますので、その攻撃と守備のバランスというところでの、彼らなりの修正が、今日の無失点につながったと思っています。

■ 守りの時に5-4-1で割り切って守ったこともあり、無失点で終えることができました。これで得られたものは何でしょうか。

 ちょっとかもしれないけれども、自信ではないでしょうか。
 5-4-1でブロックを組むのは、キャンプの頃からやっていました。人数をかけて守るのは、決して悪いことではないと。理想としては相手陣内でボールを奪いたいですし、できるだけ相手の近くでボールを奪って、相手陣内で試合を進めたいのですけれども、なかなかそういうこともすべてうまくいくとは限りませんから、そうなれば、自陣にしっかりブロックを組んで守るということは、キャンプからやってきましたから、選手の中にも共通理解としてあると思います。
 実際に、(明治安田J1リーグ戦第6節の)浦和とのゲームは、そこで喫した(失)点というものもあって、「ブロックを組んでいてもだめなんじゃないか?」ともしかしたら思いかねないような状況だったとも思うのです。
 ただし、そこを今日は、いつも以上に粘り強く守りましょう、と。では、粘り強く守るとはどういうことなのか、ということをミーティングで細かく話をして、具体的に行動としてこうやれば粘り強く守れるという話は、少し口酸っぱく言ったつもりです。それを前半はちょっと危ないシーンもありましたけれども、90分トータルで考えれば、何とか少しは取り戻せたのかなとは思います。そういった守備の組織と同時に、冒頭に申し上げたとおりにちょっとした自信というものが、今日に取り戻したものの、一番大きなものなのかなと思っています。

■ 新しく先発に入ったクリスラン選手と佐々木選手が、ゴールにからむ活躍を見せたことについてどう思われますか。

 クリスは非常に状態が良かったです。先日の浦和戦も、スタートで起用しようか、ギリギリまで悩んでいました。ただし、やはり90分のゲーム体力というところで不安があるのと、浦和戦のゲームプランで言えば、本当は(失点)ゼロで推移していって、後半の勝負どころでクリス、といったところがあったので、そういったものの兼ね合わせで、今日はようやくスタートから使った、というような状況です。
 なかなか、まだコンビネーションが整わない部分がありますけれども、彼の強さだとか速さだとかというものは、チームメイトにもあらためて、これくらいやれるよというものを示してくれたと思います。やはり、先制点も貴重なゴール、素晴らしいゴールだったと思いますし、それも彼の単独の力だけでなく、いろんなサポートがあってのゴールだったので、こういうかたちでやればクリスの良さも生きるというようなものが周りの人間も分かったのが、非常に良かったと思います。
 (佐々木)匠に関しては、正直、昨日のミニゲームをご覧になった方はよくわかると思いますけれども、スタメンを変えようかとも思いました。それこそ、今朝のメンバー外の練習を見ながら、それくらいまで悩んだくらいです。おそらくコーチ陣も、「どうするんだ、監督」と思ったくらいだったと思います。
 ただし、やらせてみないと何が起きるか分かりませんし、浦和戦で悔しい負けを喫した後の次の日のトレーニングで、非常にエネルギーのみなぎったプレーをしたのが、匠と石川直樹でした。そういったエネルギーを使わない手はないだろう、というのがあるので、実際にどこまでやれるか半信半疑な部分もありましたけれども、思い切って使いました。非常に、匠の良さも表現してくれたと思いますし、素晴らしい活躍をしたと思います。
 ただし、彼の理想であったり、私自身の彼に対する要求だったりはこんなものではありませんから、これをひとつのスタートにして、これからしっかりとベガルタ仙台を背負っていく選手になってほしいなと思います。