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試合日程/結果

2017 明治安田J1 第26節 FC東京

<渡邉晋監督記者会見>

 お疲れさまでした。台風も近づいている中で、仙台のサポーターが1500人ほど来てくれたという話を聞きました。ものすごい声援を送って、またパワーを送ってくれたことに、感謝を申しあげます。本当に、ありがとうございました。
悔しいですね。勝ちたかったですし、勝ちゲームに持っていけたんじゃないかなという感じがしています。守備は非常にメリハリが効いて、前からプレッシャーをかけるところ、それが外されたら自陣でしっかり粘り強く守りましょうというところが、非常に良くできていたと思います。特に、前半の45分は。
後半、CKで失点するまでは、ちょっとセカンドボールを拾えなくなってきて、そこが予測の問題なのかポジショニングなのか、それとも活動量なのか、いろいろ要因はあると思うのですが、なかなか拾いづらくなってきました。
ひとつ、我々が先に動いて、メンバーを代えるなりしてそこでパワーを持つアイディアもあったのですけれども、ホームで是が非でも勝点3を取りたいのがFC東京さんでしょうし、相手の出方を先に見てから動こうかな、という判断が私の中にありました。思い切って先に動いたら何かを動かせたのかな、という反省が私の中にはあるのですけれども、そこはちょっと悔しい部分です。
ただし、その後にしっかり我々が押しこむ状態を作って、意図的にチャンスを作り出そうとしたところは、最後の精度を含めて、もうちょっとやらなければいけないのかなと思っています。
選手には「ビッグクラブのFC東京が相手で、監督交代というタイミングで非常にパワーがあるチームだ」と言いました。間違いなくそのようなパフォーマンスを彼らはしてきましたが、「我々がそれに対して何もできなかったかというと、そんなことはない。我々も、そういう相手に対して堂々と渡り合うことができた」という話をしました。
これで決して下を向くことなく、まだまだ残りの8つで、ひとつでも順位を上げる、あるいはポイントを稼ぐというようなゲームにつなげていきたいと思っています。

■守備は引き締まっていましたが、相手ゴール前で攻撃のスピードがなかなか上がらなかったときは、まずは我慢しようとしていたのでしょうか、それとももっと早い段階でしかけようとしていたのでしょうか。

 両方ですね。ちょっと立ち位置を変えて前進しやすくして、フリーマンが生まれるかたちというものを今週にいろいろ準備してきて、実際にそれがやれたシーンがありました。ただし、まずひとつは、出し手がそこを探すことが少し遅れてしまいました。それによって、フリーマンが生まれているのだけれども、預けることができなかった。それがひとつ、スピードアップできない状況になった理由としてあると思います。
ただし、むやみやたらに我々がボールを突っこんで失うこともどうなのかなとも見ていましたし、実際にハーフタイムで選手たちが話をしていたときも、「そこは慌ることはないんじゃないか」と言っていたので、彼らがそうして判断していた部分もあるでしょう。それはそれで尊重したいですし、ゲームは90分ですから、しっかりと我々がボールを動かして、なおかつFC東京さんの守備を動かすというかたちに持っていければ、大きな問題は前半のうちはなかったのではないかという気はしています。
しかし先程も申しあげたとおり、後半の入りのところで、セカンドボールが拾えなくなったことがちょっと問題のひとつで、当然それが拾えれば、我々がスピードを上げて、攻撃をしかけられたでしょうし、ゲームも動かせたと思います。

■CKで1点を失いました。仙台はゾーンで守っていたのですが、何か悔やむところはありますか。

 まずは、CKの数ですね。まだ公式記録を見ていないのですが、そこそこの数を与えているので、そこがどうだったのかというところは、しっかりと検証しなければいけないと思います。
我々がCKのアタックで相手を分析するように、おそらく相手チームもたくさんの分析をして、ウィークポイントがどこか、ということをしてくると思うのです。では、マンツーマンだったら全部防げるのかというとそういうこともなくて、ゾーンはゾーンで、メリットとデメリットがあります。マンツーマンなら同じようにメリットとデメリットがあります。
ただし、絶対にやられてはいけない場所というものが確実にあって、ちょっと映像をもう一回見直したいのですが、今日のあのボールに関して言えば、本当にやられたくない場所だったと思います。ではそこに入る相手に対して、もう少し、ゾーンとはいえ体をぶつけたかった。相手の邪魔をするとか、相手よりも早くボールに触る作業をするとか、そういうことはもっと研ぎ澄ませなければいけないと思います。ああいうかたちで素晴らしいボールが入ってきて、合わせられたのは、ここまでのゲームで多分二回目くらいだと思います。だから、今日はやられましたが、それに対してナーバスになりすぎるのは嫌だなと思います。

■選手交代で思い切れなかった要因と、天候が影響して石原選手にあまりボールが入らなかったこともあってもう少し早く交代をする考え方はありましたか。

 先程も申しあげたとおり、頭の中にはありました。ただし、0-0で推移して、焦れるのはホームのFC東京さんなので、まずは相手のベンチを動かしてから、自分が手を打とうというプランがありました。選手も、同じような話をハーフタイムにしていたので、先にこちらがばたついて動くのも嫌だなということもありました。
プランはありましたけれども、そこは私がひとつ、待ったということです。結果論でいえばそれはうまくいかなかったかもしれませんし、代えたとしても同じように失点したのかもしれませんし、そこはわかりません。でも、プランとしてはありました。ではなぜ、そうやらなかったのかというと、その理由も、先程も申しあげたとおりです。
石原にボールが入らなかったことについては、天候の影響はまったくないと思います。多分、出し手のところが、ちょっと探すのが遅れたかなというところです。それはもう、ミラーゲームなので、我々がプレッシャーをかけたことと同じようにFC東京さんもプレッシャーをかけてきて、それをかいくぐることができれば、出し手に余裕ができて、ナオ(石原)を見つける作業というものがもっともっとできたと思いますけれども、やはりあれくらいプレッシャーがくれば、ヘッドダウンもしていまいますし、なかなか入れるタイミングを逃してしまうのかなと。
ただし、それをずらすトレーニングはずっとしてきているので、もっともっとそこに対して割り切ってずらす立ち位置を取れば良かったのかなという気がしています。

■FC東京が新監督になったことで、予想外と感じられたことはありましたか。

 予想外のことは一切ありません。やりづらいのは、一番やりづらいタイミングということではないでしょうか。監督が代わって一回目のゲームというものは、そのチームにとってものすごいパワーが生まれるし、同じような経験を私自身も監督という立場でやらせてもらったり、選手の時もそういう経験をしたりしましたから、ある種、劇薬を投じて、このタイミングでFC東京さんがそういう方向に舵を切ったということで、ものすごいパワーが生まれることは間違いないと思います。
それもある程度は想定をしていましたし、予想通り、ここ数試合のスカウティングのFC東京さんと比べれば、はるかに前向きなパワーを感じました。
ただし、冒頭に申しあげたとおり、それに対して我々が何もできなかったかというと決してそうは思っていないので、下を向く必要はないと思っています。